· 

誰もが自分らしくいられるように

 先日のニュース、女性への心ない言葉が「ジェンダー不平等」の日本をあぶりだしました。当初、日本のマスコミはこの発言を取り上げず、海外での反響による外電がその一報でした。

 「ジェンダー」とは社会的性差のこと。各国の男女格差を比較したジェンダー・ギャップ指数で、日本は世界153カ国中121位。政治参画の分野では144位、女性の平均賃金が男性の74%など、日本の男女不平等があらためてクローズアップされています。

 ツイッターデモが拡がり、「自分もわきまえ癖がついていた」「笑う側に回ってしまっていた」という痛みを抱えてきた女性たちが「もう見過ごさない」と声をあげました。

 さて、コロナ禍を乗り越えた社会は、どうなっているでしょう。元通りになって欲しい、いやそれでいいのかと様々な意見が飛び交っています。大量生産・大量消費、環境破壊は良くないと誰もが思うでしょう。しかし、現実はどうでしょうか。安心安全な暮らしのために、他人を責めるようなことになったり、情報に一喜一憂したり。弱くて悲しい存在だなあとため息も出ます。

 子どもたちはどうでしょう。小さなマスクをつけて、歩いています。笑って、遊んでいます。今の世がその目にはどう映っているのでしょうか。その小さな胸の中にコロナはどのような影を落としているでしょうか。屈託なく大きな声で話し、駆け回り「子どもらしく」過ごせない今は、子どもらしくないのでしょうか。言葉にできない子どもたちの声を聞いてみましょう。

 私たち、大人もかくあるべきという「らしさ」にとらわれず、自由に考え、行動したいものです。世界は広く多様性に富んでいます。子どもたちと共に「知らないことだらけ」と未知の世界にわくわくしながら進みましょう。    (千佳子)