· 

モモと私

 こちらはもう説明不要の名作ですね。

 この本を初めて手にしたのは小学校6年生に上がる前でした。転校が決まり、担任の先生が「モモ」を贈ってくださいました。
 当時そのクラスは一部の生徒が先生に反抗し、授業中手を挙げない、返事をしない、先生が生徒との隙間を埋めようと「心のノート」と題し用意されたノートはいつも白紙。ひどいものでした。
 きちんとお礼もお別れも言わぬまま時が過ぎ、私も大人になり先生の事を考え反省する日々。その事を当時からの親友に話をすると、彼女の計らいで15年後先生と再会する事が出来ました。
 すっかり色褪せてしまいしたが、引っ越す度にカバンに詰めて大切にしていたモモと共にお詫びを伝え、先生の胸の内も知り、涙の時間となりました。
 私はこの本を手にすると
「小学生の自分とモモ」の思い出の時間を取り戻すことが出来るような気がします。
 また先生にお会いできる日が来たら、息子を連れて母になった事を伝えたいです。
その時もまたモモを持って…。      (夏輝)